椅子の背にかけた上着

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加害者は

これはあまり良くない話だと思います。
ある切っ掛けで少し考えたのですが、もしかすると皮肉にも加害者の方が幸せに暮らしているのかもしれない。

事件後、大きな悔恨を背負って、できるだけ真っ当になろうとします。そもそも普通の人とは違うんだという自己否定から始まるので、幸せになる為の下地が整っているのです。*1

自分がなるべく許容できることを自分の周りに置いて、少しずつ取り入れます。何をしたら駄目なのかを学びます。その際に自分の常識外れの部分をたくさん知ります。開き直りにも至りますが、虚勢を張ることは少なくなります。自分は普通の判断はできないのだからと、虚勢を張ってまた大きな間違いをすることを恐れ、早々に間違いを認めるようになるからです。これで幾分マシになります。

自分が起こした事件のことを何度も考え、それをされたらどう思うかと、相手の身になるまでに実はちょっと時間がかかりました。*2今でも、相手の身になることは下手ですが、悪意でもって動くことはしてないつもりなので、大分素直になりました。

素直になると色々なことが良い方向へ動いていきます。それで、加害者の方が幸せに暮らしてるのかもと思ったのです。

被害者は、とにかく損をしているだろうし、いわれの無い差別を受けたも同然です。不本意極まりない、やり場のない憤りがもし被害者を苛んでいるなら、心中では申し訳ないと思うばかりですが、私はその手助けはできない加害者だから、一生罪を償うことはできない。それが背負っていくことなのかと思うと、被害者にとっては随分、思惑と違うことになってるのかもしれません。私は相手に、申し訳なかったと思うことしかしてません。

ちょっと呆気にとられています。まだまだ事の重大さを実感できてないのでしょう。でも、大抵の加害者は馬鹿なので、本当には償えないのかもしれません。その哀れな状態が、被害者を救うかというと、そうではないでしょう?事件が起きる、それ自体が大きな不幸なのです。自衛は必要であると加害者は痛感します。

*1:この際の幸せというのは、とりわけ小さなものを含みます。

*2:警察の厄介にはなってませんが、私は大きな事件を起こしかけました。